株式投資をするようになってから、単に資産が増えていくことだけじゃなく、行動や思考にも変化が現れるようになりました。自分の経験からわかってきたいくつかのメリットを挙げてみます。
財務分析ができるようになって仕事に活かせる
企業の財務分析って関係ない人には関係ないですが、就いた仕事によっては活きる場合があります。
一番直結するのが営業職。営業の仕事は単に自社商品を売り込むだけでは無いんですよ。
企業活動はやたら取引先を増やしていいわけではありません。相手は安定した経営をしてるか?など見分ける能力が必要ですし、ひとたび取引が開始すれば売上回収が必須な業務となります。また常々経営状態に目を光らせて回収不能になる前に手を打つことも大事です。
財務諸表の読み方は営業職に付いてから教育されると思いますが、あらかじめそういう能力が身についていれば強力な武器になります。
お金の使い道に敏感になる
人がお金を使う時ってどんな場合でしょうか。お金の使い方は次の3種類に分けられます。
- 消費
- 浪費
- 投資
「消費」は生活のために必要な出費。家庭での食費や最低限の家具、掃除道具・用品などの必需品などの購入に使うお金です。
「浪費」は上記で定義した消費以外の不必要な出費。必要以上の高級な外食や見栄のためのアクセサリー・ファッション等の購入などでしょうか。
次に「投資」とは将来リターンとして返ってくることが見込めるものの出費全般を指します。株や投資信託などの商品、金(きん)などの現物などの他、将来の仕事のために英会話を習うなどの教育費も投資に分類できます。
さきほど浪費の中に高級な外食を入れましたが、取引先と食事して仕事として何倍も大きくなって返ってくるのであれば投資に含めることができますね。
実際に投資を始めると、これから出すお金がこの3分類のうちどれになるか?と考えるようになりました。
また、ぼく自身に起こった変化なんだけど、お金を使う際に「消費」なのか「浪費」なのか考えるようになりましたが、併せて「せっかく買ったものは投資につながるようにしよう」ということ。
ちっちゃな具体例だけど、例えば今まで本を買って読んで「良かった」と思って終わったわけ。それだと消費とも言えるし浪費とも言える。でも本に書いてあることフィードバックして収入アップにつながるように行動するってことを強く意識するようになりました。ま、こんなのみんなはすでに実践してるか(笑)
節約体質になる
今まで現金が必要なとき何気なくATMから引き出してましたが、時間帯やATM端末の種類によっては手数料がかかる場合があります。
ぼくが口座を作っている三菱UFJは時間外だと自分のお金を預けるときでも110円取られますよ。お金を頂いてる立場が手数料取るなんてふざけるな、ですわ。
投資の視点を持つと「1000万円あると仮定しても普通預金の金利0.001%なら10年預けてようやく100円」みたいなことを強く意識するようになります。なので現金が必要な時は手数料がかからに時間帯を狙いに行くとか、普段の行動から計画を立てるようになりました。
将来に希望を持つことができる
会社の資金が底をつきこれ以上金融機関から借りることが出来なくなったとき、個人のカードローンを作りその借入を会社に突っ込みました。会社の借入が4000万円、個人のカードローンが1000万円まで膨らんだものの、会社が巧く回っていないと借りたお金もあっという間に無くなります。
会社も自分自身も毎日が資金繰りで必死です。自分の食費すらままにならなくなってくるとほとんど地獄ですわ。「オレ明日生きてるんだろうか?」そんなこと毎日考えてました。
もしあなたが現在こんな感じで借金に苦しんでいるとしたら、明日に希望を持てずいっそ死んでしまいたい、そんな心理状態に陥っているかも知れません。
しかしなんとか少額でもお金を作り出して投資に回せるとしたら人生は好転するかもしれません。投資対象が超優良企業だったら実力ある有能な経営者とそのスタッフ陣があなたの代わりになって稼いでくれます。
人間、ひとりの力ってわずかなものですが、あなたのお金があなたの分身になって助けてくれます。
毎日ディスプレイで確認する保有資産が増えていくのを(減ってるときもあるけど)見ると明日への希望が湧いてきます。一発大逆転で人生が好転することは無いけどゆっくりゆっくり明るさが見えてくるようになりますよ。
投資詐欺を見抜くことができる
大昔から投資詐欺被害のニュースを聞かない日は無いくらい頻繁に発生していますよね。ぼくの記憶では古くは原野商法とか和牛商法とか円天の件とか、忘れた頃コンスタントに話題に上ってきます。
これ、外野から見てる人から「欲をかくからじゃ。自業自得」などと被害者に浴びせたりしますが、詐欺師というのは用意周到に整えて近寄りますからイチコロで引っかかるもんなんです。あなたが今お金を渡そうとしてる相手はひょっとしたら詐欺師かもしれませんよ。
アメリカ株に投資していると分かりますが、世界に名前をとどろかせる優秀な企業がきちんと経営して、世界中から認められ、ようやく少しだけ株価を上げることが出来るのです。もしくは配当3%程度を生み出せるのです。
名前を聞いたことも無い会社や案件が元本を完全保証するとか、利回り10%保証するとか、絶対儲かるとか、そんなことか可能なはずがありません。アメリカの大企業でも「ウチに出資してくれたら絶対儲かるよ」なんて言ってません。もちろん出資者に報いるよう努力はしてくれます。でもちょっとした世界情勢や経済変動でガクッと株価が落ちてしまうのが本当の話なんです。
そういう理屈が分かってくると「絶対儲かる」などと近寄ってきた時点で詐欺の手口だな、と嗅ぎ分けられます。
投資詐欺の被害に遭った人は、それまでに株式投資をしたことが無い人なんだというのはほぼ間違ってないと思います。
「株主」という響きがイイ!
最後、これをメリットと言うには気が引けるけど、保有するのが例え1株であっても法的に認められた立派な株主です。
株式会社の所有者は株主のもので、その保有割合によって権利に違いがあります。少量の株では経営に積極的な介入はできませんが、配当を受け取る権利は同じです。
少し前まで「株主」という人たちは超資産家みたいに思ってましたが、今ではぼくも複数企業の株主です(笑)。
ちなみにぼくはフェラーリ(ティッカー:RACE)の株をいくつか持っています。みんなの憧れフェラーリはイタリアの企業ですが2015年ニューヨーク証券取引所に上場しました。
日米の自動車会社は株価的には今ひとつですが、富裕層が買い求めるフェラーリは順調に伸びています。フェラーリはそうそう買える車ではないけど、株なら誰でも手に入れられます。
「オレ、フェラーリの株主」ってなんかカッコよくないですか?
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以上、いくつかのメリットを紹介しました。本当は細かいことを含めば上記以外にもいっぱい良いことが出来たと思っています。それらをぐっとまとめて言えば、人生設計を建設的に考えられるようなったことですかね。
お金のことでいろいろ悩んでいる人ならばたとえ1企業の1株でも良いから買ってみてください。人生の好転はそこからです。