60歳定年をあと数年で迎える同級生友人との間で先日退職金の話がでました。
彼の職場では定年退職金をもらうと早速金融機関の営業がやってくるそうで、実際先輩方も退職金の使い道や運用先を検討するのだとのこと。友人も「どうしたら良いのかなー」と考え始めてるそうで。
そこでぼくなりに退職金について考えていることを述べていきます。
目次
いくらもらえる?退職金
そもそも定年退職金っていくら出るのでしょうか。
下記のリンク先からデータを見てみます。
【2019年版】退職金はいくらもらえる?相場は?
それによれば企業規模にも依りますが大卒・勤続35年以上で1500万円~2400万円、公務員の場合でも2000万円ほど。企業の場合退職金が無くても違法ではありませんから分布として「ほぼ無し」という会社もあるでしょうし、ひょっとしたら1億くらいもらうようなスーパービジネスマンもいるかもしれません。平均すれば大体2000万円くらいはもらえる人が多いのかもしれません。
さてここで2000万円という金額、それまで家の購入以外「ン千万円」という額を見ることも動かすことも無かった生活からすればかなりの大金になります。
しかし定年以降収入が無くなることを考慮すればホイホイと使っていけばあっという間に減っていきます。そこでみんな「投資でもしてみようか」と考える人もいらっしゃるわけですが、ちょっと待った!
それまで全くの投資未経験者がいきなり投資の世界に入るのは危険すぎます。どうしてでしょうか。
60歳からでは遅すぎる投資デビュー
どんな投資をしたら良いかわからない
投資と一口に言ってもさまざまな形があります。 それぞれの投資の説明や特徴は別の機会に案内しますが、
- 株式投資
- 投資信託
- 不動産投資
- 不動産投資信託
- 国債や社債
- 金投資
- FX
- 仮想通貨
などなど。それぞれ名前を目にしたことはあるでしょうし、イメージも湧くかもしれません。
でもこの時点でそれぞれの特徴やメリット・デメリットがしっかりイメージ出来ないとリスク管理が出来なかったり自分に合わない投資に資金を突っ込んでしまう恐れがあります。
金融機関の人間を信じすぎる
冒頭に書いたように退職金が出たとなると早速金融機関の営業がやってきます。そこでどんなことが起きるかと言えばお決まりの金融商品の勧誘です。
銀行に行けばわかりますが、銀行には様々な金融商品(投資信託等のファンド)のチラシが並んでいます。営業さんはこれら商品を強く勧めてきます。常套句は「儲かります」ですね。でも投資ですから全てが儲かるわけではありません。「儲かる」のは銀行だけです。銀行はファンドを売買した手数料や信託報酬(後述)が収入となります。
ファンドに限りませんが商品を買うなら徹底的に分析して、本当に手を出して良いか自らが判断しなければなりませんが、実際のところ60歳になってから金融を勉強し商品の分析をするのは不可能に近いです。
本来投資は自己責任で行うべきであって人から勧められて手を出すものではありません。それで実際に儲かり続ければ問題ないですが、成績が下がって損をしたとなると恨み辛みが蓄積します。怨念と言ってもいいでしょう。そんな人生良いはずがありません。
投資のコストを考慮していない
投資信託のことを出したのでもう少し述べます。
どんな投資でも売買すれば手数料が発生します。ところがこれを気にしてどんな投資をすれば良いのかと考える人は初心者にはまず居ません。なのでこれをよく頭に置いておいてください。一回で一律なのか、とか金額の何パーセントなのか、とか。
さらに投資信託には「信託報酬」というものが年0.5~2%ほどかかります。これはファンドを持ち続けている限り毎年ずっと取られます。仮に1%であったとしても20年で20%くらい元金が減ります。増やそうと思ってたのに減っていくなんておかしな話ですがこれが投資信託のしくみです。
まずは投資方法の手数料や維持コストに注意してください。
投資以前にお金を使ってしまう
大金を手にしたときの一番の敵は自分の中にあります。
投資とは関係ないことになりますが、一気に大金を手にすると自分へのご褒美として旅行や自動車購入に走るかもしれません。住宅ローンの残債を支払うこともあるでしょう。
数千万円の退職金がわずか数年でスッカラカンという話はごろごろ転がっています。とにかく気が大きくなってしまわないよう気を引き締めてください。
お金に困っていない現役世代のうちから投資を経験しておくべき
60歳で投資デビューするのはかなり大変だと思っています。もし投資するならあらかじめファイナンシャルプランナーにコンサルティングを受けてから地道で適切なやりかたを教わってください。
投資デビューするのはせめて50歳ごろまでに。若ければ若いほど良いです。
退職金がでる頃には自分の投資スタイルが出来上がっている
ぼくの投資はアメリカ株とアメリカETFをわずか10万円ほど買ってみたところからスタートしました。実際に株を買う前にネット情報や本で知識を得てきましたが、正直どれだけ読んでもいまいちピンと来ませんでした。
「とにかく一度買ってみよう」と最初の投資額は10万円を充てたんですが、そこから一気にリアルな感覚として頭に入ってきました。それまでニュースで日経平均やNYダウ、あるいは世界情勢の動きを聞いても「ふーん」と流れていたのに突然世の中の動きに敏感になり値動きを見る習慣がつきました。
そうなってくると勉強もどんどんはかどります。なのでそういう意味では、60歳からでも一気に投資に突っ込むのでは無く10万円程度の売買から始めてみるのが良いでしょう。
長期のプランニングができる
若いうちから投資スタートすれば、若いぶん難しいことも吸収できます。分からないことがあっても人に聞くことに抵抗がありません。
早いスタートが切れれば、少額で無理のない長期戦略で臨むことができます。またいろいろな投資にチャレンジすることも出来るでしょう。
まとめ
退職金が出てから投資デビューするのは大変だと言うことを書いてきました。もちろん慎重に進めれば60歳からでも遅くはありません。
ぼくは投資デビューするのはアメリカ株から始めるのが良いと考えています。その理由は
- 日本株が100株単位での売買に対してアメリカ株は1株から買えるため少額でも投資しやすい
- ネット証券でアメリカ株が買いやすい環境が整っている
- アメリカ企業は業績が上がっている企業がたくさんある
3番目に挙げたことはとても魅力で、日本企業がバブル崩壊以降なかなか浮上できないでいますし、人口減少やGDPの成長率など明るくない話題ばかりですが、アメリカ企業は古くからずっと株価が上がり続けている企業はすごくたくさんあります。
もちろん株は下がることはあるのでノーリスクということは言えませんが、老舗で世界中に拠点を構えサービスを行き渡らせている超大企業が一瞬でパンクするということは無いと考えて良いでしょう。
今この記事を読んで少しでも投資に興味を持ったなら、すぐ証券口座を作ってなにか株を買ってみることをお勧めします。どんな企業の株が良いかは別の機会にご案内します。