私は少し前までいわゆる「投資」というものを一切やってこなかった。ここで言う投資とは「株式投資」や「投資信託などの金融商品」等を指して話を進める。
田舎零細企業の跡継ぎとして事業を受け継ぐことに幼い頃から洗脳されてきた私は、稼ぐ手段はひたすら一所懸命モノを作ること・売ることだと教えられてきた。
特に金融商品などを禁止されていたわけでは無いが、投資はバクチみたいなものだと漠然と考えて手をださず、考えることも無かった。
もちろん事業に精を出すことは悪いことでは無く、事業が成長し利益も増加させることが出来ていれば問題は無い。
しかし事業成長に陰りが出て減益どころか赤字が続く状態になると内部留保も減り、最悪なのは運転資金という名目で金融機関から借り入れをしてその場をしのぐ。
どんな企業でも浮き沈みはあるので、借り入れを行い資金を潤沢にしておくのは必要な活動だ。成長戦略のための借り入れはむしろ積極的に行うという理屈も正しい。
ということで、収入の柱がメインの事業だけというのは非常にリスクが高いといえる。サラリーマンなど勤め人の方なら給与収入だけというのも同様だ。
私の場合は事業が失敗して蓄えを全部会社の運転資金にまわし、そして債務超過に陥って自己破産寸前まで落ちぶれることになった。
こんな状態になってから私はいろいろ情報を仕入れ資本主義を改めて勉強した。
そこで分かってきたことは、自分の事業は稼ぐ力が無かったが、自分より稼ぐ大企業はいくらでもある、という当たり前の理論だ。